38歳中年女性、普通二輪免許取得への道⑤〜入校〜
こんばんは。
わたくしの遅筆により、このブログはリアルタイムより少し前の事を書いています。
ほんとに今のリアルタイムなう(今とかほんととかリアルとかなうとかをごちゃ混ぜに使うくらいは混乱している)のわたくしは、身体も心もズタボロで酒飲みながらやさぐれてブログ書いています。
今から書く日の頃のように希望に満ちていたかった…!
前回からの続き。
いよいよ教習所入校。
ATMで還付金貯金である17万円などという大金を下ろす。
大緊張。
逆に還付金詐欺の新人の出し子なんじゃないかというくらいの挙動不審感だった。
そして証明写真を撮る。
相変わらず男か女かわからない年齢もよくわからないただただ目の下のクマが酷い不審人物の写真が刷り上がった。毎度のことだ。
そして原付限定ノン乗車ゴールド最弱免許と10年前キャンドゥで買った印鑑を装備し、いよいよ教習所へ突撃。
入校受付カウンターへ鼻息荒く突撃すると、物腰柔らかなお姉さんが対応してくれた。
普通二輪免許を講習したい旨を伝え、自慢の原付限定ノン乗車ゴールド免許や写真を提出すると
「今から外に出て、倒れたバイクを起こしてもらいますね〜」
とまさしく青天の霹靂な事を言われる。
「え!??」
「バイクを起こせないと入校できないんですよね〜」
「マジすかぁ!笑」
顔では笑っていたが、脳内では小さいダチョウ倶楽部さんが
「聞いてないよ〜〜!!」
と海物語の魚群の如く大勢走り去っていった。
明日は休みだ仕事も無い早起きなんかしなくてもいいって思ってたのに前日に急によくわからないオーディションを入れられた時くらいの「聞いてないよ〜〜!!」である(弊社あるある。水着でダンスオーディションとかあった。もちろん落ちた。)。
しかしやるしかないので外に出てバイク置き場まで回って行くと、HIKAKINさん似の係員の男性が待っていた。
「じゃあやっていきましょうか!」
とネイキッドタイプのバイクをその場に倒した。
でかい。とにかくでかい。立ってたらよくわからないけど、倒した姿はやたらでかく見えた。
「このバイクはまだガソリン入ってないんで、190kgくらいですね。教習入ったらやると思うんですけど、実際に使うバイクは200kg超えますよ〜!」
こちとらこれから190kgのバイクを持ち上げなきゃいけないのに、なんという軽々しさで話すのだろうかHIKAKIN似。
200kgの体重を調べると、現役当時の高見山くらいらしい。
「2倍!2倍!」どころの騒ぎじゃない。自分の体重の4倍だよ。
「持ち上げ方は色々あるんですよ〜」
とおんぶの様にバイクを背負う形で持ち上げるスタイルや、シンプルに正面からがっぷり掴んで下から持ち上げるスタイルを軽々しく披露するHIKAKIN似。
力任せでは持ち上がるわけもないので、とにかくテコの原理の様に点を使うのがコツの様だ。
今のところ見本はHIKAKIN似しかいないわけなのだから、とりあえず最初の様におんぶスタイルのマネをして持ち上げようとしてみる。
無理。
まじ子泣きジジイ。
まじバイク子泣きジジイ。
前にも書いた通り、わたしは全身筋肉ゼロ女なのである。
ましてや背負ってたら様子が見えない。そして正直どこに力を入れていいかわからない。まじ無理。
こうなったら正面からぶつかるしかない。ぶつかり稽古。シンプルに正面からがっぷり掴んで下から持ち上げるスタイルでやってみる。
「にぇあああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
と今まで出したことの無い声を出してみるも、1ミリも浮かなかった。
そりゃそうだ、全身筋肉ゼロ女が腕の力だけで持ち上げようとしているのだから。
声と顔だけやってる感出しただけだ。
舞い散る桜の花びらとHIKAKIN似の乾いた笑顔だけがそこにあった。
声と顔だけで持ち上げられるのは漫画だけである。
持ち上げるというより、押すのだ。押し上げるのだ。押上スカイツリー状態。
本気というのは自分が自分を超えた状況からしか出てこない。ここで本気を出さなきゃ終わらないんだよ。初めてそこでそう思えた。
か!じ!ば!の!く!そ!ぢ!か!ら!!!
お!し!あ!げ!スカイツリー!!!
有名なコピペ、『は!か!た!の!しお!』
の様に文字間に!を挟みながら押しに押した。一度浮き上がれば早い。そのまま力一杯押して、やっと起き上がった。
「そうですそうです、今日は大丈夫です!お疲れさまでした!」
DEMEKINの様に大きな目で喜んでくれたHIKAKIN似。ありがとう、忘れない。
ようやくバイクを起こせたわたしは受付に戻り、あんなに緊張して下ろした17万円を高揚しながら上から目線略してウエメセでバシィ!!とお姉さんに提出した。
バイクを起こせたくらいでこの調子の乗りようである。
もはやバイクを起こせたことに17万円払ったみたいになっている。
晴れて二輪免許への第一歩を踏み出し、ワクワクと明るい気持ちで帰路についたのであった。